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LT 2025-06-30: プロダクトエンジニアの役割
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Keisuke Yamamoto
June 30, 2025
Programming
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880
LT 2025-06-30: プロダクトエンジニアの役割
2025年6月30日開催のLT大会の資料です。
https://findy.connpass.com/event/357060/
Keisuke Yamamoto
June 30, 2025
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Transcript
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2 会員管理・予約・振替・キャンセル・決済・請求管理・売上管理・債権管理 入退館・EC・POS・本人認証カメラ・QRリーダー ・総合フィットネスクラブ ・ヨガ・ピラティス ・パーソナルジム ・24時間ジム フィットネスクラブ ・屋外運動場 ・屋内運動場
・体育館 ・水泳プール ・学校 ・レジャー施設 公共運動施設 ・Jリーグ(サッカー) ・Bリーグ(バスケットボール) ・野球チーム・サッカーチーム etc スポーツチーム ・スイミングスクール ・ダンス・バレエスクール ・ゴルフスクール ・テニススクール ・カルチャースクール ・空手・体操スクール ・サッカースクール 運動スクール ウェルネス施設の手続きをすべてデジタル化 ウェルネス産業を、新次元へ。
約9,000店舗・施設での導入実績 ヨガ・ピラティス パーソナルジム 24時間ジム 総合スポーツクラブ 運動スクール プロスポーツ(サッカー・バスケ) 公共運動・学校施設 ゴルフ サウナ・エステ
コワーキング
宇宙船は出発してしまった。しかし、さいき ん起きている数々の「⾒当違いなこと」が私 に勇気をくれる。私はスペースシップ演算⼦ を初めてみた時のように微笑んだ。
プロダクトエンジニアの役割 「Why思考」の深化 本⽇は、エージェント型AIの台頭によって変わりゆくプロダクトエンジニア の役割と、私たちが持つべきマインドセットについてお話しします。
「Why思考」の深化 弊社がプロダクトエンジニアに求めるマインドセットの中核に「Why思 考」という概念があります。従来、この「Why思考」は、物事を深掘りす ること、あるいはクリティカルシンキングのように、思考の深度や⽅法論 を指す⾔葉でした。 しかし、昨今の技術的環境の変化の波の中で、この⾔葉は新たな意味合い を帯び、「私はなぜここにいるのか」のような、存在論的な問いへと深化 しつつあります。
AIによる⾃動開発の衝撃 先⽇弊社では「開発合宿」と称する社内イベントを実施しました。そ こでは、AIエージェントを利⽤した、ほぼ⾃動化されたアプリケー ション開発のデモンストレーションを⾒学しました。 わずか5分で、100⾏程度の仕様書から「特急列⾞の座席予約システ ム」が完成。驚くべきことに、仕様書に明記していない機能まで実装 されていました: • ⽇本の電話番号形式に対応したバリデーション •
適切な予約可能⽇付の設定 • 利⽤規約への同意チェックボックス
不要論のパラドックス エンジニア不要論 コードを⾃動⽣成できるなら、コーディングを⾏うエンジニアは不要です。 PM不要論 100⾏程度の仕様書から気の利いた実装にまでたどり着けるなら、プロダク トマネージャーも不要になります。 デザイナー不要論 標準的なUIが⾃動⽣成されるなら、デザイナーもまた不要でしょう。 誰もが開発の現場から去るべき? いいえ。不要なのは⼈間ではなく、固定化された役割です。役割分担
に閉じこもる思考こそが課題です。
⼼理的アップデートの必要性 弊社の開発合宿の真の狙いは、⼼理的な部分のアップデートに ありました。まずは「これを作るにはこれくらいの時間がかか る」という旧来のコスト感覚を破壊し、サンクコストの誤謬 (時間をかけて作ったものを無駄にはできない)、このような 認知バイアスから⾃らを解放することです。
問いの再定義 「エンジニアとしてプロダクトにどう関わるか」ではなく「私が私とし てプロダクトにどう関わるのか」 私にとってこのプロダクトが何であるかを問うことこそが、深化した 「Why思考」の出発点であり、同時に到達点でもあるのです。プロダクト があなたを規定するのではなく、あなたがプロダクトとの関わり⽅を通じ て、あなたにとってのプロダクト、そしてエンジニアという⾔葉の意味を再 定義していくのです。
プロダクトエンジニア養成プログラム ⽬的は万能な⼈材の育成ではなく、 多様な専⾨性を理解し最⾼のコラボレーションを設計できるリーダーの育成です。
スクラムによる「Why思考」の実践 内省のフレームワークとしてのスクラム 私たちのスクラムボードには、このスプリントで創出すべき 「価値」が鮮やかな⾊で記されています。毎朝、私たちはこの 価値をチームで確認します。 2週間というスプリント期間は、投資効率を最⼤化せよという メッセージとしても機能します。この制約の下では、最も効率 的な⽅法は何かという問答を毎⽇繰り返す必要があります。 反復的な内省、すなわち深化した「Why思考」がチームメンバーの 能⼒と感性とを、アップデートし続けています。
取り組みのまとめ 開発合宿 ⼼理⾯のアップデート。従来のコス ト感覚や役割意識の破壊と再構築。 ロードマップを描くための共通認識 を獲得。 プロダクトエンジニア 養成プログラム 全社的な協⼒のもとで、役割の境界 線をダイナミックに変更するプログ
ラムです。 スクラムの活⽤ 内省のフレームワークとして活⽤。 惰性による判断を排除して、価値創 造のための最善の⽅法を探求。
⾃⼰再定義の時代へ 問うべきは常に「私にとってプロダクトとは何か」であり、その逆では ありません。 AIが⼈間の「かつての」知的労働の多くを代替する時代において、「エンジ ニア」という⾔葉や、既定の役割定義、慣習的に繰り返されてきたプロセ スは私たちにアイデンティティを提供しません。その問いを深く、繰り返し ⾃らに投げかけることによってのみ、プロダクトエンジニアとしてのあな たの、私の輪郭が、明らかになってくるのです。 本⽇事例としてご紹介した⼀連の取り組みの成果は、私の⼒によるものではなく、 多くの仲間の知恵と努⼒の結晶です。特に、私のチームの勇敢なメンバーたちに、
⼼から感謝します。
株式会社hacomono 開発本部 フィーチャー部 フィーチャーグループ リーダー ⼭本 啓介 (Roger) ⼤⼿ゲーム会社、スタートアップ、外資系⾦融機関での勤務、そしてフリーランスとし ての活動を経て、現在は株式会社hacomonoで開発チームのリードを務めております。
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